今回は、当サイトへお寄せいただいた扇子に関する体験談をご紹介します。
ある2つの扇子を大切にしている方の体験談です。
大切にしている2つの扇子
29歳、女性、専業主婦です。東京都練馬区に在住しています。
扇子はいくつか持っているのですが、特に大切にしている扇子が二つあります。
一つめは20代の半ばに、私が父からプレゼントされたものです。
春に旅行で京都を訪れていた父親から、仕事中の私にメールが届きました。
今、京都にいるのだけど、何か欲しいものはあるか?という内容でした。
私は思い付くままちょっとした欲しいものをメールにかきました。
せっかくの職場旅行なので、お土産探しをさせるのは悪いとおもったので、いくつかリクエストをあげた上で、どれか一つがほしい、と言いました。
その中には、何か着物に合いそうなもの、というものを入れました。
当時、私は着付けの教室に通い始めた頃でした。
幼い頃から、祖母や叔母など着付けができる人が身の回りにおり、いつかは、自分も、着付けができるようになりたい、自分で着物を着たい、と思っていました。
なので、京都には和の小物を扱うお店もたくさんあるな、と頭に浮かんだのです。
父の京都のお土産は・・・
そして、父から「ほら、これ、お土産だ」と渡された土産袋の中には、どれか一つでいい、とリクエストしたもの、全部が入っていました。
そして、嬉しそうに「自由時間いっぱい、お土産探しに使っちゃったよー」と言いました。
就職をきっかけに、親元を離れていたので、大切に思われていることを感じ、泣きそうになりました。
その時に、父が「着物に合いそうなもの」として選んでくれたのが扇子でした。
リクエストの中で唯一にして、一番悩んだそうです。女の人ばかりのお店なんだもん、と嬉しそうに呟いていました。
桜の柄の、きれいな扇子でした。 それ以来、冬の後半から春にかけて、着物を着るときにはこの扇子を持ち歩いています。
もう一つは結婚祝いの扇子
もう一つの扇子は、上司が私の結婚祝いに贈ってくれたものです。
この上司とは、ひょんなことから、仕事の上ですれ違ってしまったことがありました。
上司の退職目前の、時期のことでした。
時がたって、たまに食事の席をともにして、楽しい時間を過ごしつつも、どこか私はしこりを抱えていました。
そんな中、わざわざ、浅草の扇子屋さんに出向いてあつらえてくれたそうです。
南天の実が描かれた上等な物です。そんな風に門出を祝い、心を尽くしてくれることに、感謝の気持ちでいっぱいです。
普段は大切にしまってありますが、こちらもやはり、着物に合わせて、そして特に特別なお出掛けの時に使わせて頂いています。
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今回の体験談は以上になります。
当店「山武扇舗」のネット通販では、体験談に出てきたような着物に合う扇子を多数扱っていますので、よろしければそちらもご覧ください。