今回は、当サイトへお寄せいただいた舞扇子に関する体験談をご紹介します。
ご自分のあこがれの演目であった「島の千歳」を舞われた際の体験談です。
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あこがれの演目「島の千歳」
小学生の頃と高校を卒業後専門学校に進学してから、日本舞踊を習ったことがあります。
小学生の頃は「坂東流」専門学校の頃は「花柳流」でお稽古をしました。
「島の千歳」は姉弟子がおさらい会で踊った演目で、小気味よい鼓の音とそれに合わせて舞う扇に一目惚れして「いつか自分も踊ってみたい」と感じた曲のひとつです。
幸せな事に花柳流の日本舞踊をはじめて5年ほどした頃、新聞社主催の踊りの会に誘われ、迷う事無く「島の千歳」を演目に選びました。
「島の千歳」の前半で使う「中啓」
「島の千歳」は実在した白拍子の名前だと伝えられています。
大変おめでたい歌詞が歌われている祝儀舞で、水干・立烏帽子・太刀を身につけ男装をした白拍子の男舞(前半)と振袖姿の娘が踊る女舞(後半)の二部構成になっています。
男舞で使用する扇は「中啓」と呼ばれる扇で閉じた状態でも先が広がっている「末広」とも呼ばれる扇です。
中啓は普段のお稽古で使ったことがなく、小道具さんからお借りして舞台直前のお稽古と本番当日の2回手にしただけでした。
姉弟子が踊っている様子から「使い方が難しそうな扇だな」と感じていましたが、実際手にしてみると普段お稽古に使っている舞扇子と比べて大きく、ちょっと気を抜くとすぐに閉じてきて難儀したことを覚えています。
「島の千歳」の後半で使う舞扇子
後半は厳かな雰囲気の前半と異なり、軽快な調子の女舞になります。
軽やかな鼓の音は聞いているだけで心がウキウキとしてきて、その鼓の音に合わせて軽やかに舞う扇はとても印象的です。
後半で使う扇は普段お稽古に使用している扇と同じ形の10本骨の舞扇子で、こちらの扇も小道具さんにお借りしました。
最後は娘姿のまま男舞に戻り、厳かな雰囲気の中幕がおります。
お稽古をはじめて5年のまだまだ未熟な芸で充分踊りこなせたとは言えない出来映えだったと思いますが、自分なりの精一杯で踊り「踊ってみたい」という願いを叶えることが出来た良い舞台だったと思っています。
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今回の体験談は以上になります。
当店「山武扇舗」では、舞扇子を製造・販売しております。ネット通販でも扱っていますので、よろしければそちらもご覧ください。
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