今回は、当サイトへお寄せいただいた舞扇子に関する体験談をご紹介します。
今回は、深水流の日本舞踊を踊っておられる方の体験談です。
日本舞踊の舞扇子選び
40歳女性、東京都港区在住です。深水流で5年ほどお稽古をしておりました。
舞扇子は基本的には浅草で購入しております。浅草には踊りの用品が売っているお店が多数あり、扇のストックも豊富です。
最近ではネット通販などでも購入が可能ですが、舞扇子は手で触れて要(かなめ)の緩みや、しなりをみないとあとで手にしっくり来ないことがあるので店舗に伺い購入するようにしています。
お舞台用の舞扇子
お稽古用はなんでもいいところがありますが、いただいた演目や、着物のお色に合わせて大きさや色を検討し購入しています。
本番前までにお稽古のし過ぎで破損してしまう場合があるため同じものを再度購入することがままあります。
手にかかる重さや、滑りの良さ、収まりの良さなど、お稽古で使ったものと同じものでないと感覚がかわるので、とても大切です。
塗りのものですと、滑りやすく、かなめがえしなどをする際にリスクが生じるため、なるべく木目調のものを使っておりました。
木目調のものはお稽古には向くのですが、どうしても舞台映えするのは塗りのものなので、大きな発表会での演目では塗りを使用していました。
日本舞踊・深水流のお稽古について
お稽古ですが、現在は腰を悪くしお休みさせていただいておりますが、月に2回程、1回につき40分のお稽古をつけていただいておりました。
40分という単位は各流派によりけりなのだと思いますが、概ね30分から40分かと思います。
深水流は一般流派と異なり、曲も古典ではなくサンバやボレロなど、洋のテイストが入っています。
そのため、一般よりも激しい動きがあり、扇も開閉や叩きなどが強めなので、消耗は激しいです。
長唄の「鶴亀」や「お祭り」
始めた当初はお稽古用に何曲か手踊りで長唄の「鶴亀」や「お祭り」などお稽古をつけていただきました。
ただ、扇を使用することにまだたどたどしさがある時期だったので、優雅に美しく扇を動かすことが出来なかったことが思い出深いです。
当時は朱色の扇を使用していました。朱色の扇を最初に購入したので、壊れても壊れても必ず同じ朱色の扇を購入していました。
使い終わった舞扇子
歴代の使い終わった扇は、まだ大切に取ってあります。
もう使用することはないほどぼろぼろになってしまった扇ですが、お稽古の辛さや楽しさ、すべてを共に居てくれた物なので、愛着が沸いていてなかなか捨てることが出来ないです。
使い終わった扇の一番よい行く末はどんな形なのか知れたらよいなと思っております。
また、いつか箔押しの塗りの扇で高度な演目を舞うことが出来たらよいなと思っています
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今回の体験談は以上になります。
当店「山武扇舗」では、舞扇子を製造・販売しております。ネット通販でも扱っていますので、よろしければそちらもご覧ください。
また、ネット通販には掲載していない舞扇子も数多く扱っており、日本舞踊に精通した店主が各流派、踊りの演目に合わせた扇の御相談にも応じさせていただいております。