今回は、当サイトへお寄せいただいた扇子に関する体験談をご紹介します。
今回の体験談は、夏扇子を常に携帯している女性の体験談です。
扇子との出会いは日本舞踊の舞扇子
私は68才、女性で広島県尾道市に居住。フリーライターをしています。
扇子については、小学生の頃、日本舞踊を少しだけやった時、舞扇を先生からお借りして「さくら、さくら」を踊ったことが、初めての出会いでした。
ラストに扇を開いていき、そこに顔を隠すとい所作のお踊りでしたが、その所作だけ、今でも妙に記憶に焼きついています。
また、大学に入った頃、友人が観世クラブに所属していて舞い扇を始終携帯していてましたが、銀・金色の華やかな色の扇に黒の漆塗りの対比が印象的でした。
大人になってからは夏扇子を愛用
扇子については、大学生の頃は、夏でも汗をかかない体質でしたので、あまり持参していませんでしたが、勤めるようになると、夏場は持参していました。
何しろ、扇子の模様は風雅で、蝶が二羽飛んでいる幻想的な図柄とか、水の渦巻き模様が、前面に描かれている図柄とか、夢誘われるような絵画的模様が好きで、よく眺めていたものです。
私の持っているものは、大抵、企業のノベルティでもらったものや母親からのプレゼントが多く、あえて、自分が求めて購入したことはないのですが、それでも、扇子は使わないときは折りたため、使用時には開いて使用して夏などには、涼しい風を送ってくれる便利なアイテムです。
私の扇子は紙製のものですが、折りたためることでコンパクトに納めることができる扇子という道具は、本当に便利です。
骨の部分は、私の持っている扇子は竹製で、一番外側の部分は親骨と呼ばれますが、この親骨に装飾として漆塗りを施されているものもあります。うちわは文明発祥時から存在しているそうですが、紙を折りたたんで製作する扇は日本で発明されたものだそうですから、まさに、日本の文化そのもので、それゆえ独自の美しさに感嘆してしまうのだと思います。
更年期になってからは扇子が手放せない
私が扇子が離せなくなったのは、更年期でやたら熱がりになってからです。
始終、暑くなるので外出先に持って歩き、電車の中や病院の待合などでもバタバタと風を送っていました。
そんななかで、今一番重宝しているのは、初歩の英会話を手ほどきをしたお茶の先生にいただいた夏扇子です。
この扇子は元旦に渡されるものだそうで、初日の出が美しいピンクオレンジで描かれており、何か持っているだけで縁起もよく、お守りのように愛用しています。
小さくてコンパクト、そして軽量なので本当に持ち運びに便利です。ポシェットにも入れられるので、冬でも持って歩きます。暖房で暑すぎる時などにも、重宝です。
そんな小さな扇子ですが、ちゃんと涼しい風を運んでくれるのが、貴重なことです。
なにせ、物持ちがいいので、若い頃からの扇子も未だに持っていて時々、その図柄を楽しんだりしています。
扇子一つにもデリケートな文化があり、それこそ、友禅染に通じる世界が展開されています。恐るべし…日本文化という感じで、扇子を開くたびに、その美に感心しています。
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今回の体験談は以上になります。
当店「山武扇舗」のネット通販でも夏扇子や舞扇子を多数扱っていますので、よろしければそちらもご覧ください。